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ソース発祥物語:阪神ソース株式会社様
2010年10月25日
日本最初の港町として知られる神戸!
西洋文化の浸透も非常に早い街で、食文化も洋食などがいち早く浸透してきました。洋食と言えば料理の味を引き立てる様々な調味料があります。時の流れと共に、調味料は輸入から国内生産も始まりました。
実は今では誰でも知っていて、各家庭に必ずある調味料の“ソース”を日本国内で初めてって生産された企業様も実は神戸発祥なんです。
その企業様が一世紀以上ソースを作り続けて根強いファンを獲得している「阪神ソース株式会社」です。今回、代表取締役でいらっしゃいます安井洋一様と開発室で日々ソース開発に心血を注いでおられます安井元彦様にお話を伺いました。
125年前、明治維新・文明開化の時代
港町神戸で日本最初のソース誕生にまつわるドラマがあった!
日本で最初にソースを作った方が、現在の阪神ソース株式会社の創業者である安井敬七郎氏です。
江戸時代末期に仙台藩の医師であり、仙台藩が設立した医学を中心にあらゆる学問を学ぶことができる『養賢堂(現在で言う大学)』で学びました。
やがて日本は明治維新を迎え敬七郎氏は東京で医学だけでなく、ドイツの工学博士ワークネル教授より工業化学を学びました。
とある日、敬七郎氏は教授と神戸で食事をしました。
その時につぶやいた教授からの何気ない一言が敬七郎氏をソース作りへと駆り立てたのです。
この時教授がつぶやいたのは、
「神戸には美味しい肉があるのに、どうして日本には美味しいソースが無いのでしょう?」
とつぶやきたのです。この一言が無ければ日本でソースの生産は始まっていなかったかもしれませんね。
新しい物好き!
ベンチャー精神、パイオニア精神が日本のソースを生み出した!!
敬七郎氏はソース作りに取り掛かると、ソースの本場であるイギリスへソース工場の見学に出向いています。
想像してみてください。時は文明開化の時代です。
国内の移動も鉄道もままならない状態の時代で遠く離れた異国であるイギリスへ向かうと言うことがどれだけ大変なんでしょうか?
飛行機も当然ないので、長い月日をかけて船でイギリスに向かうのです。
敬七郎氏の根性や精神が感じられます。
ここに古い写真があります。
写真の右端下の洋服に身を包んだ人物が敬七郎氏です。日本ではカッポウ着やおかっぱ頭が当たり前の時代である明治に、タートルシャツにジャケットを着こなしています。かなりお洒落な方だったようです。
当時の先進国であるイギリスの空気に触れて、当時の日本人には真似できない考え方や発想があったのかもしれません。
現在、家庭の冷蔵庫や食卓にはたくさんの調味料が並びますが、当時の日本に存在した調味料は少なかったと考えられます。
敬七郎氏はそのまま西洋のレシピをコピーするのではなく、日本人の口に合うように日々研究を重ね、明治18年(1855年)に国産第一号のソースを完成させました。
神戸の大空襲、阪神大震災
地元神戸での支え合いの中で地元に愛される企業へ
阪神ソースの歴史は決して楽なものではありませんでした。
創業者である敬七郎氏から代替わりし、時代は20世紀へ。
20世紀には世界中を巻き込んだ第2次世界大戦、太平洋戦争が勃発し、日本も悲惨な戦争へ突き進んでしまいます。
神戸も映画「蛍の墓」でもご存知の通り大空襲の被害があり、街中破壊され数多くの方々が死傷してしまいました。
神戸の海沿いにあった阪神ソースの工場も全て空襲でやけてしまい、戦後は焼け野原から地元の人々や地元企業の協力のもとゼロ・ベースで再度スタートしました。
平和な時代を迎えましたが、神戸は今までに経験した事の無い大きな地震に襲われます。
そう、阪神大震災です。
神戸市内全域のライフラインが失われ、阪神ソースも操業ができなくなりました。阪神ソースの地元密着の強みはこの天変地異の大災害も乗り越えます。ソースで使う水を地元の方々に提供。地元の協力を得て震災後も迅速にソース作りを開始し、お客様にソースを提供することに成功しました。
「価値ある良い商品を世の中に出したい。」
創業者・敬七郎氏の曾々孫にある開発室・安井元彦様は創業時から続く思想を受け継いだソースの開発をされています。
「一度食べたら止められない、価値のあるソースを作って行きたいです。」
大量生産販売体制が主流の今日、価格を抑えるため甘味料や防腐剤を使用するメーカーもありますが、阪神ソースは値段ありきの考え方ではなく、ソースを口にする人への健康配慮と感動を提供するできるようなソースを作っています。
時代が流れる中で変化するソースの中でも、製造釜の底から直火でソースをつくりあげる製造方法は創業以来変わることなく、ソース原点の素材の本質を最大限に生かした深い味わいを私たちは手に取ることができます。
例えば、5年前に創業者・安井敬七郎氏の名前からネーミングされたソース『敬七郎』は原点に立ち返り、明治時代の創業当初のレシピを参考に保存料、添加物や旨味成分も入っていないソースで、野菜、砂糖・塩の調味料のバランスで出来ている、ソース本来の姿だと言えます。
食べた後の後味の良さから高齢者の方にも食べやすいソースとして好評でソースが活躍する揚げ物だけでなく、野菜とも愛称のよいまろやかな味わいで、従来の百貨店や高級スーパーのような店頭販売以外に電話・FAXによる遠方からの注文も増えています。商品の品質からクチコミでファンが増えていると言えます。
価値ある商品・ブランドで神戸を盛り上げたい!
阪神ソースの創業者・安井敬七郎氏は創業当時、西洋の文化と情報の玄関口であった明治時代の神戸と言う街で、まだ多くの人が知らない調味料ソースに情熱を注ぎ事業を始めました。
その情熱と思想は代替わりしてもゆるぎない企業アイデンティティとして、敬七郎氏の血脈である現社長の安井洋一様とその後子息である開発室の安井元彦様の両名に受け継がれ、代々受け継がれると思います。
神戸は本当に良いものを大切にする街の風土があり、神戸が誇れるブランド・商品を生み出し続けてくれると思います。
『敬七郎』の他にも阪神ソースから用途に合わせたソースが販売されています。
いずれも作り手が情熱を注いで出来た素晴らしい逸品です。
是非このブログを読まれた方はお試し頂きたいと思います。
ソースに愛と誇りを持った作り手から、丁寧に梱包されたソースが皆様の食卓に届きます。
【阪神ソース株式会社会社概要】
■社 名:阪神ソース株式会社
■創 業:明治18年(1885年)
■設 立:昭和23年
■住 所:神戸市東灘区本山南町1-1-1
■電 話:TEL 078-453-1111
FAX 078-453-1113
■E - Mail:info@hanshinsauce.jp
■URL :http://www.hanshinsauce.jp/
■代表取締役:安井洋一
■編集後記
取材終了後、安井社長様より『敬七郎』と『SUNRISE SAUSE』を頂きました。
「『敬七郎』はチキンカツ、『SUNRISE SAUSE』はカキフライに最適!」
とアドバイスを頂き、仕事終わりにチキンカツとカキフライを行きつけのスーパーで購入して早速に夕食で実践してみました(笑)。
食べた瞬間
「ソース旨っ」
って言ってしまいました(笑)。カキフライはタルタルソース派でしたが、カキフライに愛称抜群のソースで私の家族にも好評でした。
で・・・一人で食べてしまい社内から非難轟々でした(笑)。今度買って社内で試食会です(笑)。
料理専門家ではないので、旨く表現できませんが、今まで食べてきたソースとは違います。
ソースたっぷりで食べたくさせるソースです。是非お試しあれ!!