神戸ことはじまり

松阪牛・近江牛と並んで、「日本三大和牛」と言われる神戸牛

開国した頃の日本で、一番牛肉を消費していたのは神戸だったともいわれています。そんな神戸ビーフの地、神戸に牛肉専門店の発祥とも言われる老舗企業「大井肉店」があります。

廃藩置県によって兵庫県が誕生し、神戸外国人居留地が126区画に整備された明治4年。そんな騒然とした時代に、港街神戸で当然の様に誕生した牛肉の商売。

今も世界的なブランドとして知られる“神戸肉”の基礎を築いたとされる初代岸田伊之助氏が創業し、初代兵庫県知事の伊藤博文や福沢諭吉をはじめ、歴史上の著名な人物もその肉の素材に舌太鼓を打ちました。本日は、株式会社大井肉店の代表取締役社長でいらっしゃます、田伊司様にお話をお伺いしました。





明治4年創業以来、伝統と誇りを引き継ぐ4代目社長


身に纏われている岸田伊司社長の荘厳な雰囲気に社長室で緊張する取材スタッフに、そっと併設するレストランで自家焙煎された美味しい珈琲を差し出して下さる岸田社長。

4代目経営者として先祖代々続く伝統と誇りを引き継ぎ、人々に神戸肉の味を伝える使命を背負われた岸田伊司社長の口から訥々と語られる話に、心を惹かれました。

神戸牛に誰よりも深く関わり、誰よりも素材の味を知る岸田社長に神戸牛のことはじまりについて、詳しくお話を伺いました。
  

Kobe Beefのルーツは江戸時代!?


神戸肉は高級食材として知られ、各国にある三ツ星レストランのシェフが「Kobe Beef」を買い付ける程、世界的にも認められた究極の食材です。その神戸肉として知られているのが、実は但馬牛になります。昔から牛車として使われていた但馬牛ですが、江戸時代になって大阪・天王寺で開かれた牛市で、“藩の威厳を保つため”に毛並みが美しく、良く肥えた牛をつくる事がきっかけで、独自の飼育技術が発達しました。


口コミで全国を席巻する神戸肉


神戸肉は開港当時から、牛肉を食べていた外国人や船乗りに大きな人気を博していました。“すき焼き”などの牛肉文化が普及し始めた頃には、その人気は既に口コミで広まっていて、船乗りを引退した日本中のシェフたちを中心に神戸肉の買い付けが行われました。つまり、「神戸肉・Kobe Beef」は開港と共に全世界に広まっていた「日本ブランド」だったのです。

その世界的なブランド「Kobe Beef」の基礎を作り上げた人物の一人が、宇治川(現在の神戸駅と元町駅の中間)の山奥に広がる農地で牛を扱っていた、大井肉店の創業者である岸田伊之助氏だったのです。


宮内庁御用達にも選定された、大井肉店が守り続ける素材の味


明治時代から守り続けた最高級の肉の味は、先代から続く“自分が納得できる良い物をお客さんに出したい”と言うこだわりがあるからこそ実現しました。

昭和29年、大井肉店はその肉の味が認められ宮内庁御用達に選定されました。その当時は、一つの商品を仕入れる度に、全ての道具を新品にしていたと言います。

一つの歴史的事実として、明治時代から残っている牛肉店で、今も尚、肉の加工ではなく“素材”を提供し続けている店は他にありません。

「お客様に素材の味を認めてもらって、その素材の素晴らしさとこだわりに“共感”を持ってもらったからこそ、大井の肉は残り続けてきた。」岸田伊司社長はこう語ります。




「神戸市民に神戸肉を食べてもらいたい。」その想いを形にする大井肉店の取り組み。

明治時代から神戸の地で商売をして来た大井肉店では、神戸の人に神戸肉の味を知ってもらうために、4代目岸田伊司社長はお客様が気軽に利用する事ができる“イートインコーナー”を設置しました。

「自分たちが“目利き”したこだわったものをお客様に出して喜んでもらうためには、こうするしかなかった」当時の想いを岸田社長はこう言います。




神戸肉が食べれるとも歌わなかった隠れた商売。しかし、美味しいお肉が食べれるお店の噂は口コミで自然と人気が広まり、現在は大井肉店本店の上階や、神戸そごうの地下にあるレストランでその味を楽しむ事ができます。
 





また“裾物”と呼ばれるバラ肉等を安価で提供し、“1000円で買える美味しい神戸牛”を売り始めました。冷蔵庫も無い時代、昔は井戸に牛を吊っていたと言います。六甲山で氷をつくり、それを切り出し、アイスロードと呼ばれる道を通って、お店まで持ってきていました。

神戸の人は肉と言ったら真っ先に“牛肉”を思い浮かべる方が多いと思います。神戸の人は、肉まんと言えば多くの人が、中に“牛肉”が入っていると感じます。だから、わざわざ“豚まん”と呼び区別をする様になったと言われています。

そんな神戸で140年近く牛肉を売り、神戸肉の素材を守り続け、多くの人と苦労を乗り越えて来たからこそ、「神戸の人に神戸肉を食べてもらいたい。」と言う先代から続く想い入れは深く根付いています。

長い歴史の中で培った“目利き”で、お客様に最高の素材を提供し続ける


「『私はあそこでお肉を買っているんですよ。』と、お客様が人に伝える事、人に自慢できる様な店になりたい。」明治から平成を渡り歩く中で、大井肉店の在り方を岸田社長はこの様に話します。

家庭の料理で味が変わってしまう“素材”を扱う商売を行う中で、「大井肉店のお肉やったら、美味しいです。やわらかいです。旨いです。」と、ついついお客様が声を漏らしてしまう最高級の肉を支えるのは、歴史の中で出会った大井肉店専属の肥育農家や牧場と、熟練した目利きの技術を持った職人たちです。
  



明治4年創業の看板と、先代から続く牛肉への自信と誇りを背負い、「あそこで肉を買ったら間違いない!」この声と共に、大井肉店は神戸で唯一の開港から続く老舗企業として、次の時代に向かって歩み続けます。



【株式会社大井肉店概要】
■社 名  :株式会社大井肉店
■創 業  :明治4年(1873年)
■住 所  :兵庫県神戸市中央区元通7丁目2番5号
■電   話  :078-351-1011
■F  A  X  :078-351-5494
■U  R  L  :http://www.oi-nikuten.co.jp/index.html
■代表取締役社長:岸田 伊司
http://img01.ko-co.jp/usr/kobehassyou/


          



Posted by KOCO2010 at 18:55Comments(0)牛肉発祥物語
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