神戸ことはじまり

今では当たり前のサービスが実は神戸発だった!?

 今回の“神戸ことはじまり”は今では公共交通機関のほぼ全てに設置されている“優先座席”高齢者の方、身体の不自由な方、乳産婦・体調の優れない方が優先的に利用して頂く別名オレンジシート。普段、電車やバスで移動をする私たちにとって、当たり前の光景として存在しています。
実は、この優先座席制度を日本で初めて導入したのが“神戸市バス”です。今回は、私たちが安全・安心に市バスが利用できるように、毎日市バス車両の管理にたずさわっている神戸市交通局の前田様にお話をお伺いしました。


きっかけは「人間環境都市宣言」

 "オレンジシート"発祥のきっかけは、昭和47 年にあります。この年に神戸市では市民の名において『人間環境都市宣言』が行われました。これは、市民・市・事業者の総力を結集して、神戸市民の愛する郷土「神戸」を人間環境都市にしようとするものでした。つまり人に優しい街づくりを推進しようとする宣言です。神戸の街を「くらしよい街に・・・」そんな願いが市バスにも採り入れられ、その一つがオレンジシートを生みだしました。



はじめての「優先座席」の導入

 昭和47 年の11 月に、全車両を対象に車両中ほど右側の1 人掛けシート2 座席を、高齢者の方や身体の不自由な方、乳産婦・体調の優れない方たちへの“優先座席”とするための措置が行われました。これは福祉都市としての姿勢の現れであり、優先座席のカバーの色合いから“オレンジシート”と名付けられたそうです。また、“オレンジシート”は、市バスに乗車するお客様が、それを必要とする方たちへ善意で譲ったことから“善意の席”とも呼ばれました。


神戸らしさが溢れる、現在の優先座席

神戸市バスが導入した優先座席の色がオレンジだった理由は、神戸の六甲山の美しい自然を表現している“緑色”の座席とコントラストを保つ事ができるためにようにするためでした。
しかし、その後の研究で総務省より公式に、色覚などに何らかの障害を持たれている方々が判別し易い色が発表され、神戸市バスの優先座席は“水色のシート”に変わりました。最近のバスで写真のような座席を見かけませんか?これが今日の優先座席です。

さらに現在の優先座席には、「より神戸らしさ」を出すためにポートタワーや海洋博物館、異人館などの絵が描かれています。さりげなく、神戸らしさが描かれた一つ一つの椅子に、神戸市民として愛着を感じると同時に、神戸市バスの方々の細やかな配慮を感じることができます。

今日の日本の電車やバスで、当たり前のように採用されている“優先座席制度”。その発祥が神戸市バスと言われていることは、ご存知でない方のほうが多いのではないでしょうか?

編集後記:私が知らなかったバスの秘密

今回、いつもお世話になっている神戸市バスの取材をさせて頂いて、私が抱えていた謎がついに解決されました。それは、

“ バスの一番後ろの席が何で他の席よりも高い位置にあるのか。”

小学生の頃などはバス全体が見渡せる一番後ろの席に、真っ先に座わっていた記憶がありました。しかし、大人になった今、改めてバスに乗るとあそこの下には何があるのかなー?とか、あえて高くしてあるのかなー?などと気になる存在になっていました。

そして、今回の取材でそんなバスの一番後ろの席の下にあるものを、「安心・安全」のために一生懸命バスの点検作業されている方々の休憩時間を見計らって、見せていただきました。なんと、バスの一番後ろの席の下にはエンジンがありました!
この事実、ご存知でない方のほうが多いのではないでしょうか?私の上司は「そんなの知ってるよ。」と涼しく言っていましたが、皆様の周りの方はどうでしょうか?一度話してみれば、私の様に驚く人もいるはずです。

【市バス車両について】
■神戸市交通局市バス車両課
078-992-3333

【神戸市交通局 ホームページ】
■住 所:神戸市中央区加納町6-5-1 神戸市役所3号館4階
■U R L :http://www.city.kobe.lg.jp/information/about/construction/s1/017.html



Posted by KOCO2010 at 14:47Comments(0)優先座席発祥物語
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